篠笛とは、日本古来の横笛で篠竹という細身の竹から作られていることから篠笛と呼ばれます。平安時代には、普及していたと言われ当時の上流階級である貴族に浸透していた龍笛、室町時代に武士に普及していた能で使われる能管などがあります。

これらの笛に比べて庶民階級に愛好されてきたと言われる篠笛は各地のお祭り、獅子舞、神楽等の民俗芸能、長唄、歌舞伎など様々な音楽に使用されてきました。

初心者の方は、まず音出しと構えが大切になるのでいきなり高価な笛でなくても構いません。楽器には相性があるのでまず2000円前後のプラスチックの笛をお勧めしております。そしてある程度、基本的なことが出来るようになったら、篠竹からできている篠笛をお勧めしています。

左の七本調子のプラスチック。ドレミが出るようになっていて調律の正確。2000円程で手に入る。高い笛を買う前に楽器との相性を確かめるためにもまず安価な笛で。

篠笛の種類について

大きく分けると指で押さえる穴を六つ、七つ空けただけの旋律がない古典調子(神楽や獅子舞、祭囃子で使用)また、ドレミファが出るように穴の大きさを調整して作られた唄笛(ドレミ管)と呼ばれる篠笛があります。

ドレミ管は、現代曲も吹けてお囃子も吹けるので初心者にもおススメです。

音域は2オクターブ半あり、笛の長さ(調子)を変えると三味線やピアノなどの楽器とコラボ演奏も楽しめます。篠笛には、正確には1本調子から12本調子位あります。しかし、実際の演奏では3本調子から9本調子でほとんどの演奏や色んな曲が吹けます。

唄笛
穴が大小になっていてドレミ音階が出るようになっている篠笛で唄笛とドレミ菅があります。

現代曲、例えば「もののけ姫」「君をのせて」などのジブリ曲も吹けます。初めての方は、こちらのプラスチック菅をお勧めします。最初は「さくらさくら」「ほたるこい」などの日本の古謡から練習していきます。

西洋音階が日本に入る前は、ドレミがなかったので篠笛に均等に穴を空けただけの笛が一般的でした。それでも民謡や長唄、獅子舞を演奏するには不便を感じませんでした。江戸時代くらいから演奏されていたと思われる通り神楽は、こんな感じです。この古典調子は、現代でも各地で多用される篠笛です。シンプルなだけにパワフルな音が特徴です。

篠笛の古典調子 孔が均等に空けられていてドレミ音階でない。獅子舞や神楽などに使用される音が大きく張りがあります。

また、篠笛の仲間には、能で使われる能管、雅楽で使用される龍笛などがあります。これらの笛も篠竹を原料としている場合が殆どで細めの能管は篠竹、太めの能管は真竹を使用したりします。また、音色も独特で室町時代に能が生まれたその昔を思われる幽玄な音色が特徴です。和太鼓などと合わせるとその大きな音色と鋭さから演奏全体が引き締まります。

能管