ネパール編 ポカラからカトマンズ

数日後にバスがありトレッキング希望者を登山口まで送ってくれるサービスがあるという。それまでこの湖畔のホテルで快適に過ごした。泊って本んを読んでいるとまだ10歳くらいの少年が働いていて私の部屋を覗いていることがよくあった。ポカラ湖にボートがあるというので少年に案内してもらって湖の中の島に連れて行って貰ったりした。そこから山の方を見ると世界最高峰の山々が見えて雨が降って雷が起こっているのが見えたりした。ガイドブックにはこう書かれてあった。

この標高の低い町のすぐ近くに8,000m級の山々がそびえているため、世界でもまれな景観を誇っています。マチャプチャレ(6,993m)はフェワ湖からわずか28kmで、その間には他の山はありません。低地にいながら目の前に迫るヒマラヤの山々を見ることが出来るのは、この町ならではの贅沢。トレッキングに出かける人々の拠点の町としてだけでなく、湖のほとりでヒマラヤの山々を眺め、リラックスできるリゾート地としても人気のある場所です。

さてバスが出る日が来て乗り込むと大勢の欧米人も見られた。登山口には大勢の物売りたちがいてごった返し登山用に作られた木のスティックなどを売っていた。登山客を案内するシェルパーなども沢山いるようだ。私はポカラで若いシェルパーから雇ってくれと言われずっとつき纏われていたが、せっかくのひとり旅、また他にも大勢トレッキングをしている人がいて道に迷うこともないだろうかと思って一人で気軽に行くことにしたのだった。中には一人で二人のシェルパーを雇っている日本人もいた。

トレッキングのやり方は大体皆が決まっていて大体昼過ぎ2時か3時位まで歩いて適当な場所に民家兼宿があるのでそこに泊る。そこは食事付きで登山客用に予約なしで泊れた。食事は簡素でみそ汁みたいなカレー汁とご飯というパターンでベッドも自分のシュラフを使うのだった。寝袋や登山靴はポカラでレンタルができ私も利用した。そして朝食を食べて歩き始めるというパターンだった。

山道を歩き続けます。すると時々絶景の景色が現れます。
晴れの日は遠くまで景色が拝めます。宿では簡易な食事(カレー汁とご飯)が出ます。夕飯はいまいちなので楽しみになりませんでした。

どれくらいで次の宿に着けるとかが分からなかったが、それも一興だと思うことにした。ただ閉口したのは道が牛や馬の糞で汚れて歩きにくかったことだ。期間中には雨の日もあったが総じて山の景色を堪能でき良いトレッキングができた。ある日の早朝まだ暗いうちにトイレに起きてみるとまさに降るような星空で圧倒された。驚いて暫く寒いのも忘れて立ち尽くしていると他の泊りの登山客も集まってきた。後で聞くところによると星が綺麗なことで有名なスポットということであった。後に帰国して母にこんなにも地球は星々で囲まれているんだと再認識させられたと話すとこんな短歌を作ってくれた。

「ヒマラヤの山に眺めし星空を吾にも見せたしなどと子の言ふ」

更に朝日が綺麗な丘というスポットもあって登山客らに随行した。確かに綺麗な朝日が見られたがそこにはちゃっかりお茶売りのサービスが有料であって商魂たくましいネパール人を見せられ少し興ざめだった。

私はそれまで山登りは殆どしなかったがこの経験をしてから日本に帰っても登山をするようになった。また、ネパールでトレッキングをしてきたと日本の登山愛好家に話すとこちらが未熟でも尊敬の念を持って見られて少し自慢できた。最終日は乗合バスで無事ポカラのホテルに帰ることができた。10日間のトレッキングが済むとなんだか一仕事終えた気持ちになって、小学生の頃の遠足を終えて帰る時のことを思い出した。ポカラのホテルに帰るとここで数日過ごすことにした。物売りらのおばちゃんらと懇意になって楽しく過ごせた。

再び飛行機でカトマンズに帰るとネパールがすっかり気に入った私は暫く滞在することにした。気候も良いし美味しいFUJIという日本食レストランも見つかった。そこは日本庭園が施された庭や橋があったりと豪華な作りだったがメニューは日本のご飯とみそ汁と納豆みたいな日本のごく普通の定食が多く値段も高くなかった。まあ地元の人に言わせれば高いかもしれないがインドみたいにどこに行ってもまともな日本食が見つからないことを思えば大助かりだった。おかげでインドの香辛料で食傷気味だった体調も回復してきた。ここの土地は私に合っている、そう感じた私は少し長居することにしたのだった。

カトマンズのお寺
カトマンズにも仏教関係の仏像などが沢山ありました。

以前のツシタレストハウスが快適だったので再び泊まろうとすると今度は一泊12ドルと以前よりも4ドル高くなっていた。だが以前泊ったんだよと言うとスタッフは急に笑顔になり8ドルにしてくれた。再び帰ったカトマンズでは、お寺回りをしたりして快適にすごした。インドのヒンズー教の文化よりも仏教の文化が多くあり又顔つきも日本人に似ていて性格も穏やかな人が多いネパールには親しみを覚えた。

カトマンズは見るところが沢山あって退屈しない。トレッキングの後で食べ物が合わなかったので瘦せている。
カトマンズの興味深い階段